新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

2005-01-01から1年間の記事一覧

元に戻らないもの

何故、殺してはいけないのか テレビゲームでは 何人殺しても スイッチ一つで 生き返る 何度でも 生き返る しかし 現実世界では 一度殺したものは 生き返らない 二度と 元には戻らない それが 機械ではなく 肉体をもった生き物の 本質あまりも 複雑すぎて 二…

永遠の未完成

未完成だからこそ 止むことのない 希望をもてるのかもしれない 思っていることを 上手く伝えられない だからこそ ここに 詩を書いている のかもしれない まだまだ 人が 遠い まだまだ 自分が 浅い それでも 歩き続けよう 踏まれても 冷たい言葉の 唾をかけら…

サンタさんへ

サンタさんへ 遠い国から 私より先に この地へ降り 大工の父を助け 中途失明した母を助け 中卒で三人の兄弟達を養い 朝は荷車をひき野菜を売り そのために遅刻して バケツをもたされて 廊下に立たされて 20代で一軒の家を建てた 忍耐の人 子供の頃 クリスマ…

クリスマス・イブ

イエスよ ご苦労様です クリスマス・イブであろうが無かろうが クリスマスであろうが無かろうが 一日たりとも 休むことなく 働き続けている 小さな微笑みを守るために 小さな悲しみを拭うために イルミネーションの影で 凍えた頬を そっと 暖めている 善は …

揺れている

揺れている しんみりと 潤っていく 空の微笑み いろんな事が起きて いろんな事が過ぎた 波のように 揺れている 私の中の 海 揺れている ほんのりと 灯るように 顔が 少し 丸くなった 角が取れた 小石のように ころころと 笑いながら 揺れている

起源

骨 それは 遠く 超新星爆発を 起源とする カルシウム によって 作られた 一つの 形 鉄 コバルト シリコン これらの元素もみな 超新星爆発を 起源とする らしい 一つの星の死は 星雲となり 衝撃波となり 新しい星の誕生の 元となる 宇宙は 拡散と 収縮を 繰り…

自分の光

天空の星 幾万幾億 生まれては 消えていく 星々も 転生し あらたな 命を宿す 母胎となる いつかは 帰るときがくる その日まで その朝まで 私に残された 有限の 地上時間 あまりにも 怠惰すぎた あまりにも 傲慢すぎた 愚かな私 巨大な振り子が 闇の中で 往復…

翼 〜Link to the future〜

地の底まで落ちた 君を待ち続け 幾億の時が過ぎただろう 天空は落ち 大地は裂け 海原は枯れ その聡明さ故に 心は傲り その美貌の故に 心は乱れて 白き翼 今はなくとも 想い出して 白き心 君が失った全て いつか帰るときがくる 誰も君を奪うことなど 出来はし…

電子レンジへの弔辞

スイッチが 切れいているはずの 電子レンジが いきなり ボンッ 表示が消えた 7年間 ご苦労様でした あなたのおかげで 食物を 簡単に温めて 食べることが出来ました ひとりぼっちの 私に 牛乳を温めてくれた あなた ひとりぼっちの 私に 冷凍ストックされたご…

人と空

もとめはしない 影を もとめはしない 過去を ここに 一人往く道 ここに 一人見上げる空 つかの間の 夢 つかの間の 世 星が満ちる母のような 人になりたい 地球のような 人になりたい あらゆるものを 包み抱く 大地のように 大海のように あらゆる 悲しみを …

レモンの勇気

作曲をはじめてから 10年が過ぎた 趣味とはいえ 自分が曲を作れるとも 思ってもいなかった 鼻歌をうたって 学校を帰った あの頃 星空の下 線路跡の道を 一人歩いて 歌っていたっけ これから どんどん歳をとるけれど なんにも 恐れはしない 今できないことも …

人生ゲーム

一人では解けないゲーム 一人でしか解けないゲーム 二人では解けないゲーム 二人でしか解けないゲーム 人生はゲーム 勝ち負けではなく 幸せを見つけるゲーム さぁ サイは投げられた 大いに 楽しんでやれ! 幸も不幸も まるごと味わってやれ! パーティーの始…

月に願いを

とぼとぼと 歩いている ぶつぶつと 呟いている そんな旅人を 凛と 見続ける 天空の月 ありがとう 今夜も 見守っていて 夜を往く 全てを

遠く 遙かに 遠く 続く道がある 月は 夜の旅人を照らし 朝のサラリーマンを 透明なまなざしで 見つめている 続いている 続いていく 道がある 見失った物 見失った心 見失った時 それでも 道がある この世にも あの世にも 一つとして 見捨てられた存在など な…

今の果てにあるもの

今の中に 過去があり 未来がある 光の中に 色があり 空がある 今は未来 未来は今 今は過去 過去は今 光は色 色は光 光は空 空は光 果てしなく 内在する力 果てしなく 木霊する声 果てしない 空 果てしない 己

寄り道

○夢の内容 自転車で岬へ行く途中 大きな池があったので 寄り道して左へ降りる 森を抜け 池の近くまで歩いていった 地面は湿っぽい黒土が ぼこぼこと 広がっていた 寂寥感が胸に広がる 日が沈んで 辺り一面、濃紺の闇 防波堤のような 低い白壁が 遠くまで続い…

音の種

時間という 土の上に 音を 蒔いていく 音だけど 種だから 芽が出る 誰かが通れば 音楽になるよ 鼻歌も 種まきさ 楽しい種を 蒔きたいな

傘を差して低空飛行

○夢の内容 夜 幼い頃住んでいた街を 黒傘を差して歩いている雨は降っていない急に飛びたくなり 傘で、風をとらえて 上昇気流に乗り 路上を低空飛行する 特に怖さはない通行人に見上げられるが 気にせず行きつけの店を探す 傘を斜めにすると ゆっくりと降りら…

初雪

珍しく 朝から 霧がたちこめていた ひとしきり この世の 労働を終え 帰宅へのドアを開けると ぼたぼたと 雪が 降っていた 壊れかけた 傘をさして そそくさと 家路へ急ぐ ほたほたと 雪は 地へ消えゆき はらはらと もやもやと でも こんなときは 笑うんや っ…

バナナ屋のおばさん

○夢の内容 街を歩いていて、商店街の一角にあるバナナ屋へ立ち寄った。 粗末な台の上に、いろんな成熟状態のバナナが売られていた。 黄色い若いものから、黒く萎びたものまで。 いろんなバナナがありますねぇ。 これをください。 と、指を指すと、 「だめ」 …

モチーフ 

一つだけでいい 飾らなくていい 欲張らなくていい 一輪の花 一個の石 一編の詩 一つの出会いに 感動することが できたなら 全てはそこからはじまる モチーフ探しは 難しくはない 外への私欲が いつも その出会いを 粉々に打ち砕く ただ それだけのこと 難し…

空の錨

月は 空に降ろされた 錨 みえない とも綱で 蒼い舟に つながっている

一期一会

過去に生きず 未来に生きず 今に生きる 神に生きず 魔に生きず 我に生きる つかの間の 我 つかの間の 世 されど かけがえのない 今 魂は 永遠だけれど あらゆるものは 一期一会

人力タイムマシン

ペダル一漕ぎ一日 一週間 一月 一年 十年 百年 千年 一億年 四十五億年… そして 今日へ 帰る

心の海底へ

教えてよ この星の行方 教えてよ この世の果て 教えてよ この私の未来 教えてよ 教えてよ 教えてよ 外に 求めず 内に 問う 深く 深く 祈りという名の 探し方で 心の海底へ 潜る

模型屋

中古CDを買いに行ったついでに 古い模型屋に立ち寄った 正面には鉄道模型に興じる中年男性 狭い通路の奥へ行くと 猫じゃらしをもった少女がいた 茶猫がそこにいた 足にまとわりついてきた 山積みになった 20年以上前に流行った ロボットアニメのプラモデル …

雨と虹

大きな大きな母さん雲が言ったの。 「私がいるうちは、雨は止みませんよ」って。 小さな小さな子ども雲がそれを聞いてこう言ったの。 「雨より、虹がみたいな」って。 すると 「虹は誰が作るの?」って、 小鳥が聞いたの。 それを聞いて お天道様が こう言っ…

ここにいるよ

いつも どんなときも ここにいるよ いつか ひとりで 自分の愚かさに 押しつぶされていたときも ここにいたんだよ いつも いるよ いつも ここに 胸の奥に 渦巻きの 中心に 消えることのない 確かな ぬくもりが あるんだよ

光の中に

あらゆる色を 宿しているのに 限りなく 透明な 存在 あらゆる力を 宿しているのに 限りなく 優しい 存在 一切は 光 一切は 光の 子供たち 光より生まれ 光へと帰る

傘を握って

傘を握って 家路を 急ぐ 雨降る道に 散り濡れ もみじ 地上の星屑 足下の 宇宙(そら) ぶざまでもいい 生き恥をさらしてもいい 笑われてもいい 今を もっと味わおう