新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

模型屋

中古CDを買いに行ったついでに 古い模型屋に立ち寄った 正面には鉄道模型に興じる中年男性 狭い通路の奥へ行くと 猫じゃらしをもった少女がいた 茶猫がそこにいた 足にまとわりついてきた 山積みになった 20年以上前に流行った ロボットアニメのプラモデル …

雨と虹

大きな大きな母さん雲が言ったの。 「私がいるうちは、雨は止みませんよ」って。 小さな小さな子ども雲がそれを聞いてこう言ったの。 「雨より、虹がみたいな」って。 すると 「虹は誰が作るの?」って、 小鳥が聞いたの。 それを聞いて お天道様が こう言っ…

ここにいるよ

いつも どんなときも ここにいるよ いつか ひとりで 自分の愚かさに 押しつぶされていたときも ここにいたんだよ いつも いるよ いつも ここに 胸の奥に 渦巻きの 中心に 消えることのない 確かな ぬくもりが あるんだよ

光の中に

あらゆる色を 宿しているのに 限りなく 透明な 存在 あらゆる力を 宿しているのに 限りなく 優しい 存在 一切は 光 一切は 光の 子供たち 光より生まれ 光へと帰る

傘を握って

傘を握って 家路を 急ぐ 雨降る道に 散り濡れ もみじ 地上の星屑 足下の 宇宙(そら) ぶざまでもいい 生き恥をさらしてもいい 笑われてもいい 今を もっと味わおう

深夜1:08

深夜1:08 僕は 今から 寝ます 僕は 今日と 明日を 越境し 今から 寝ます 今日は 昨日となり 明日は 今日となる 繰り返し 繰り返し 今日の日は さようなら 今日の僕は さようなら また 会う 日まで

手のひらのお爺さん

ある日手のひらを 広げたら 白髭のお爺さんが 生命線の真ん中に 腰掛けていたの お爺さんは 腰を曲げて 何かを探していたの 何をお探しですか? って尋ねたら 「あんたの本音」 って答えたの 気になって、自分も、 その「本音」を探したの 隠す場所が 無いの…

木の葉降る道

林の中とてもゆっくりと 降っていた 木の葉 ガサッと 大きな葉が 目の前に 落ちた 鈴なりの ポプラの葉が キラキラと 輝きながら 歌っていた ちいさな スケッチブックに 今見ている風景を 描いた カメラは忘れたけれど シャッターは 切ったよ

光の朝

朝は光 雑然とした 僕の部屋にも 届いた光 朝は温もり ひとりぼっちの 僕のほほにも 届いた温もり 朝は始まり 生まれたての 僕の今日にも 届いた祝福 生かされている 生きてゆく 僕は作る人生を 歩きたい

道に落ちていた青空

雨上がりの 昼下がり 水たまりに 青空 青空に おっこちないように そっと そっと 歩いたの

約束

自分が人生を見捨てない限り 人生は自分を見捨てはしない

もう秋なんだなぁ

木の葉が 紅色に染まり始めている アスファルトの枯れ葉 窓際のてんとう虫 服に付いた雪虫たち 空が 高い 空が 蒼い 雲が 長い 古里で働いている 友達は 元気に過ごしているだろうか 風邪など引いていないだろうか 朝早く母からの電話 「何にもないけど、か…

人生と刺繍布

ある神父が言っていた。 人生は、一枚の刺繍布の裏であると。 生きているときに起きる 不条理な点や線も 人生を終えて ひっくり返したときに それらが、裏で、しっかりと 面となり、 刺繍になっているのだよと。 日常の点たちよ 日常の線たちよ 日常の無常た…