新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

海のない街にて

心の中の 海 幼き日にみた 水平線 カモメの声 灰色の テトラポット 船を陸に結ぶ 太いロープ どれもこれも 懐かしい いつまでも 暖かな 潮の風景

経験と感動

人は 経験と感動をするために この世へ 生まれてくるという 幽玄の世界から 有限の世界への 旅 読書という経験の伴わない感動もある。 平凡という感動の伴わない経験もある。読書も好き 平凡も好き でも 肉の身をまとってこそ 立ち起こる 様々な 現象を通じ…

冬の風鈴

想定外の 支払いをしに コンビニへ行った でも そこにはもう なかった 看板も何もない 全ての窓が 板で塞がれた 古い建物だけが 横断歩道の前に 突っ立っていた しばらく歩いていると ちり〜ん と音がした 民家の庭先の木々に 寒風に揺れて 透明な音を 響か…

美しい

美しい曲面 降り積もったままの 雪 美しい直線 空と海との間の 水平線 美しい心 泥と唾の中でも 希望を捨てぬ エナジー

まなざし

幹は枝を見つめ 枝は空を見つめ 星は命を見つめ 命は光を見つめ いつも いつでも どんなときも 見つめているよ だから 勇気を出して 未来を 見つめて 今を 生きるの

泣いている

泣いている魂が 泣いている 怠惰に生きている自分よ 人を避けている自分よ 何もしない自分よ 福祉の現場を離れてよりこのかた 私は一体どれだけ 人を愛せたのだろうか 行為として 人の役に立とうとしていない むしろ 避けているのかもしれない 泣いている 泣…

白い空に 白い太陽 白い道に 白い息 白い壁に 白い窓 影が白を 浮き立たせている 白さの中に 溶けていくもの 白さの中に 溶けていかぬもの 春になれば まるで全ては 物語のように 消えていく つかのまの 白たちよ

玉子の中の電話

母さんが、玉子を生みました。 中から何か聞こえます。 電話の音です。 母さんは、不思議に思い、殻をつついてみました。 その音は止まりました。 もう一度、その玉子に耳を澄ませてみましたが、 静かです。 21日くらいたって、孵化しました。 玉子の中から…

メッセージ

時が吹きすさぶ 君を 叩きつけている 時が降り積もる 君を 白く包んでゆく 囚われることなく 歩いてゆけたなら どんなに自由だろう 青く突き抜ける空 赤く流れる血潮 生きている 生きていく 生かされている 思い切り笑って 思い切り泣いて 思い切り走って 有…

風景

私にとって 見慣れた風景でも 誰かにとっては 初めての風景 私にとって ありふれた日常でも 誰かにとっては 非日常 あたりまえであっても あたりまえではない 視点をかえれば すべては 奇跡に 見える

新年の彼岸

静かに流れる 時 急激に加速する 時 サイコロのように 転がる 心 変わらないものは どこですか 無くならないものは 何ですか 若さも老いも 彼岸まで