新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

2018-01-01から1年間の記事一覧

雨、雪、言葉

雨が降っては 地面の凹凸に気づき 雪が降っては 足跡の生き物に気づく何も語ってくれない風景に 何を見出し聞き出すか言葉にならない感情を 通り過ごすか 表現するか通り過ごすか 表現するか

日の目を見ない傘

日の目を見ない 折り畳み傘が 日の目を見るのは いよいよ日の目を見ない 雨の日だ午後から雨が降るというので ショルダーバックに忍ばせて 街へ行ったしばらくして 急な風が吹いてきたが 雨は一向に降らず 坂道を上り いよいよ家に近づいたころ ボツボツと雨…

世界意識

意味がない世界だからと いつでも虚無になれるし意味がない世界だからと いつでも意味をつけらるやけにリアルな世界の 嘘くささやけに嘘くさい世界の リアルさあくびが出るほど 無意識な 意識

雨と涙

雨が降ると 路の窪みに気づく涙が流れると 心の窪みに気づく

かつては線路だった道

かつては線路だった道を歩くかつては道だった草原を歩くかつては草原だった海を潜るかつては地球だった星を歩く

闇鍋

そう 決定する意思を 決定する意思を 決定する意思 を…そう 否定する意思を 否定する意思を 否定する意思 を…意思の背後の意思 意思の正面の意思どこまでも どこまでも 生まれては 消えてゆく意思の始めがどこなのか 意思の終わりがどこなのか肯定の背後の …

脱皮時計

そこには 時計の表皮が 脱ぎ捨てられていた脱皮しながら 時計たちは より強固な時刻を 円盤に刻み続けていた薄い表皮には 12までの数字が 円環状に並び その中央で 短針と長針が ひくひくと 小刻みに震えていた

かつての未来 これからの過去

光あるところ かつては闇だった闇あるところ かつては光だった美あるところ かつては醜かった醜さあるところ かつては美しかった昨日1年前 10年前 100年前 1000年前 1万年前 10万年前 100万年前 1000万年前 1億年前明日1年後 10年後 100年後 1000年後 1万年…

好きな人、嫌いな人

好きな人 というストーリーの辛さは 別れ嫌いな人 というストーリーの嬉しさは 別れ辛くもあり 嬉しくもある 別れそれでも 過ぎ去れば 時が経つほどに 過去という幻想の 味わい

自刻表

その街には 時が無かったそれでも レールの向こうから 時々、時がやってきた無限に変わり続ける場所で 無限に狂い続ける時計には もはや正確な時間など無かった進化しているのか 退化しているのか 順番という概念すら 成立しなかったどこからが生で どこから…

粉々

何が、ながれているのか?暗闇の向こうから 暗闇の彼方へと何が、あらわれているのか?輝きの向こうから 輝きの彼方へとここがどこなのか誰もが分かっているようで 誰もが知らない世界確かなものは 時間でもなければ 場所ですらない無限にスライスされた プ…

たんぽぽ

両親は外来で オカメインコと2人で留守番寂しいかと思い インコに声をかけても ご機嫌ななめで 威嚇される午後からは たんぽぽ咲いた 坂道歩く病院の4階から見える海は 黒かった

人と小鳥

人は人を人だと言うが 小鳥は小鳥を小鳥と言わぬ小さい大きい 子供だ大人だ 善だ悪だ 醜し美し 自由不自由 人は言う小鳥は今日も命を生きる 命は今日も小鳥を生きる人は今日も命を生きる 命は今日も人を生きる

人と小鳥

詩の正体

果たして その詩は 人間だけのもの?果たして その絵は 人間だけのもの?果たして その音楽は 人間だけのもの?その表現の先が 人間だけと 制限する必要など どこにもない動物、植物 空、石、川、風宇宙表現の先は 無限にあるなぜなら その詩を作り出すのは …

いど

詩を探す 詩を探す 詩を探す詩ではない何かを 注意深く捨てながら仄暗い井戸を 覗きながら葛藤の源泉 イドを 覗きながら

土の下の雪

一昨日まで 土をかぶった 雪今日の雨で 解けただろうか戦争が終わったことも 知らされぬまま 土の中に隠れていた 兵隊のように 身を潜めていた 雪辺りには ふきのとう達が 次々と 葉を広げている

夜風

春の夜風坂道を登れば 踏切で止まる テールランプたち家路に向かう 車の波集まる 赤光変わる 緑光進む 赤光

白いクレヨン

99色のクレヨン1本も使わずに 白いままのキャンバス白いクレヨン1本だけ使って 白で描きつくされたキャンバス白いキャンバス と 白いクレヨン白い世界の 無言劇

常識

青空の下 地面に必至に しがみついている 雪あれほどまでに 一面を覆っていた 雪冬という常識が 春という常識に 切り替わっていく手袋 マスク マフラー スノーシューズ全部外して 軽い身になるふきのとう 福寿草風を吸い 道を歩く

そろそろいい

煮詰まっていた2作目の絵も完成し 3作目を開始する煮詰まれば煮詰まるほど 終わりが見えなくなるけれど 終わりが近づくと 絵の方から 「そろそろいい」と 言われるようで粗さを残したまま 終える

わずかに融け残る 雪夜の坂道を上ると 赤と緑を交互に繰り返す 信号機たち解ける不安と 融けない不安それでも 日常は続いている

墓参り

昨日 晴れ渡る空墓参りが終わり 泊まっていた 叔母さんと家族そろって ラーメン屋へ朝から仕事は休み昼飯の後 叔母さんは札幌へ 帰って行った

 地平線

それが見えるうちは どんなに広く遠く見えようと 閉じた球体の上を 歩くのみ目を閉じた瞬間に それは消え 無限の奥行が生まれる沈黙のみが 道標昨日に答えなく 明日に教えなし世界を見たいなら しっかりと 目を閉じよ光を見たいなら しっかりと 闇となれ

ヘルペス

昨日から 右顎下にヘルペスらしき発疹土も見え 駐車場には ふきのとうもうすぐ 4月

 手袋

2月に落とした左の手袋を 探しながら歩くさんざんみんなに 見つかるわけがないと 飽きれ顔真っ白なゴルフボールを咥えた 真っ黒なカラス黒い雪にまみれた ゴミ坂道を下り 坂道を上りある時は音楽 ある時は話を 聞きながら無くしたものを 無くしたかのように…

 壁

目の前に 立ちふさがっていた壁が いつの間にか 背中にある壁を乗り越えたわけでもなく壁をくり抜いたわけでもなく壁は いつの間にか 背中にある新たな視界が そこに広がり古い視界は もはや消えてそれが 進化か退化か 僕は知らないただ カオスに煮詰まった…

冷え切った 直線を歩く君の瞳は 何よりも 熱く輝いている尖り切った 茨を登る君の瞳は 何よりも 丸く輝いている涸れ切った 河を渡る君の瞳は 何よりも 潤い輝いている曇り切った 空を見上げる君の瞳は 何よりも 澄んで輝いている

ロシア

休日 家族4人で街へドライブ朝から ヘッドホンでロシア民謡を聞いていると 港にはロシア船とロシア人ユニゾンの合唱が 途中から揃うときの 音響パワー

9×9

歩の人 香の人 桂の人 銀の人 金の人 角の人 飛の人 王の人8種の個性が 盤面で反応し合うそもそもが ただの駒そもそもが ただの木そもそもが ただのプラスチックそもそもが ただのモノ意味やルールを作り その中で 戦い合うあたかも 盤の外には出られないか…