新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

常識

青空の下 地面に必至に しがみついている 雪あれほどまでに 一面を覆っていた 雪冬という常識が 春という常識に 切り替わっていく手袋 マスク マフラー スノーシューズ全部外して 軽い身になるふきのとう 福寿草風を吸い 道を歩く

そろそろいい

煮詰まっていた2作目の絵も完成し 3作目を開始する煮詰まれば煮詰まるほど 終わりが見えなくなるけれど 終わりが近づくと 絵の方から 「そろそろいい」と 言われるようで粗さを残したまま 終える

わずかに融け残る 雪夜の坂道を上ると 赤と緑を交互に繰り返す 信号機たち解ける不安と 融けない不安それでも 日常は続いている

墓参り

昨日 晴れ渡る空墓参りが終わり 泊まっていた 叔母さんと家族そろって ラーメン屋へ朝から仕事は休み昼飯の後 叔母さんは札幌へ 帰って行った

 地平線

それが見えるうちは どんなに広く遠く見えようと 閉じた球体の上を 歩くのみ目を閉じた瞬間に それは消え 無限の奥行が生まれる沈黙のみが 道標昨日に答えなく 明日に教えなし世界を見たいなら しっかりと 目を閉じよ光を見たいなら しっかりと 闇となれ

ヘルペス

昨日から 右顎下にヘルペスらしき発疹土も見え 駐車場には ふきのとうもうすぐ 4月

 手袋

2月に落とした左の手袋を 探しながら歩くさんざんみんなに 見つかるわけがないと 飽きれ顔真っ白なゴルフボールを咥えた 真っ黒なカラス黒い雪にまみれた ゴミ坂道を下り 坂道を上りある時は音楽 ある時は話を 聞きながら無くしたものを 無くしたかのように…

 壁

目の前に 立ちふさがっていた壁が いつの間にか 背中にある壁を乗り越えたわけでもなく壁をくり抜いたわけでもなく壁は いつの間にか 背中にある新たな視界が そこに広がり古い視界は もはや消えてそれが 進化か退化か 僕は知らないただ カオスに煮詰まった…

冷え切った 直線を歩く君の瞳は 何よりも 熱く輝いている尖り切った 茨を登る君の瞳は 何よりも 丸く輝いている涸れ切った 河を渡る君の瞳は 何よりも 潤い輝いている曇り切った 空を見上げる君の瞳は 何よりも 澄んで輝いている

ロシア

休日 家族4人で街へドライブ朝から ヘッドホンでロシア民謡を聞いていると 港にはロシア船とロシア人ユニゾンの合唱が 途中から揃うときの 音響パワー

9×9

歩の人 香の人 桂の人 銀の人 金の人 角の人 飛の人 王の人8種の個性が 盤面で反応し合うそもそもが ただの駒そもそもが ただの木そもそもが ただのプラスチックそもそもが ただのモノ意味やルールを作り その中で 戦い合うあたかも 盤の外には出られないか…