[詩]新聞の笑顔
昨日の新聞に
昔、一緒に時を過ごした
職員が笑顔で載っていた
あの頃
僕は介護士で
彼女は栄養士
栄養士でありながらも
ヘルパーの資格をもっていて
入浴介助をしてみたいと
浴室まで来たこともあった
絵心があり
ポスターなども
上手に描いていた
フロアーにも
よく顔を見せ
口だけではなく
レクリエーションにも
自ら参加してくれた
クリスマスには
イチゴのサンタや
カラメルらしき飴で
糸を格子状にするなど
オリジナルな創作ケーキ
を考案していた
まさに、新聞にも
そんな実験精神を
失っていない彼女らしい
内容の記事であり
自分のことのように嬉しく思えた
仕事以外のことも
時々話をした
僕が入社してから
2か3代目の栄養士だったが
病気で休暇を取り
たまたま病院で遭遇してはいたが
数年後に職場を離れていった
美女という程ではなかったけれど
男性だけの飲み会では、部署を超えて
みんなに人気があることが判明した
忘年会では一緒の席で話してたり
委員会も同じになることがあった
僕が妹の話をよくするので
シスコンですか?といぶかしがられた
いなくなった後は
何となく寂しく感じた
絵のことを語れる人が
いなくなった寂しさ
かもしれない
その後
僕は一切忘年会にはいかなくなった
後任の栄養士は出産の度に
交代を繰り返していった
そして僕も
その職場から離れて
3年が過ぎた
新聞の笑顔を
当時の同僚たちも
きっと懐かしく
思ったことだろう
陰ながら
応援している