新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

「紫の絵ばかり描いている人がいる」

閑散としていた美術部に
彼は聞きつけ、やってきた

紫の絵ばかり描いていた自分は
ほぼ一年間近く
美術室の片隅に一人
静物描写に
明け暮れていた

彼はサッカー部と掛け持ちで
後に、みんなの反対を退けて
美術部一本に腰を据えた

彼が入部したあたりから
サッカー部員を脱退した
部員たちが急増し
女子部員も増えた

高校の垣根を越えた
ボランティアサークルでも
彼らは積極的に活動した

ビデオ映像に残る
卒業前の部員会の
自分

笑みをこぼしながら
話している
自分

見るたびに
笑顔だったことに
気づく
自分

ネクサス7で
毎日絵を描き続け
そろそろ一年が経つ

シューズの紐は
もちろん