2019-02-10 希望 詩 バイト帰りの坂の上 しゃくれた顎の月が 夜空にぶら下がっている 先の見えない暮らしの中で 一つ二つと 道が見えてくる あの時道に落としたもの いや、道に捨ててきた 欠片たちを 振り向きながらも 手探りで前へ進んでいく 書くことを忘れたあの日から また書くことへ 帰ろうとしている 来た道が行く道 今していること これからしようとしていること 振り向きながらも 手も足も 触角のように 前へ伸ばす 前へ ただ 前へ いつかの風景