新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

かなり前に
とある小さな街のコンビニで
キャラメルを買い
そのオマケに小さな磁石がついてきた
 
捨てずにリュックのポケットに入れて
入れたことも忘れていた
 
数年後
リストラされた僕は
そのリュックを背負い
ショーウィンドウを見ながら
街をさ迷っていた
 
何かにつまづいて
転んだ時に
リュックの紐が切れた
 
リュックは薄汚れて
ファスナーも壊れていた
 
公園のベンチで
何かないかとそのリュックのポケットに
手を忍ばせた
 
中からいつかの磁石が一つ出てきた
するとそいつが言った
 
「ぴったんこ」

 
僕はその声に笑ってしまい
「ぴったんこ」
と言い返した
 
次の日
僕の眉毛が
両方ともぴったんこになった