暴走族の夜は終わり
今はただ
虫の輪唱だけが
辺りを包んでいる
静けさの中で
新しい
今を迎えている
思っていたより
部屋は広く
ただただ
環境の静寂に
感謝するばかり
これから
新しい生活が
はじまる
8年前施設を去るときに頂いた
同僚や先輩後輩からの
寄せ書きと
その当時、入居されていた
一人のおばあちゃんからの
メッセージが込められた
短冊と色紙を壁に貼り
しみじみ読み返した
私は
戻ってきた
かつての施設では
もう
ないけれど
私の
志の現場に
戻ってきた
幾つもの街を旅し
幾つもの出会いを
繰り返してきたけれど
私の住処は
志そのものなんだと
胸の奥で
かみ締めている
まだまだ
これから
そしてまた
0からのスタート
何一つ
ものにならなかった
けれど
裁かないよ
私は
そんな自分が好きだよ
未熟なのは
分かっている
それでも
生きている自分が
好きだよ
道は
ちゃんと
用意されていた
ありがとうございます
これからだ
与える福祉から
支えあう福祉へ
彼も光なり
我も光なり
自分よ