新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

西へ

線香花火の火球のような太陽が

西の空に落ちてゆく

 

空は桃色から黄色そして水色と

緩やかに変化し

形の違う雲の群れ

 

祭りばやしの練習か

坂を下りてゆくと

太鼓や笛の音が

聞こえ始めている

 

ライトに照らされた神社

境内には練習の子供や大人たち

 

通り過ぎてひたすら

街を下りてゆくと

行き止まりの

欄干

 

眼前には

巨大に広がる

 

頭上を低く鳴きながら飛び交う

カモメ

 

ぼろぼろに朽ち果てた

倉庫の屋根に止まる

カモメ

 

既に太陽は

海の彼方へ消えて

後ろから迫る

藍色の空