短針と長針が交じり合わないのが
11時
というアナログスペース
そして午前と午後が入れ替わるのが
その時代の特徴
振り向いても
もう過去はどこにもなく
つま先立って
背伸びをしても
未来なんてどこにもいない
あらゆるものが連続的過ぎて
逆に全部が切り離されて見えている
グラデーション
と判断できるうちはまだいいのかもしれない
白か黒か
善か悪か
なんてやっているうちに
取りこぼしてしまう何かに
気づいているだろうか
激しく対立する色の間に
無彩色の色をはさんだり
極めて曖昧な色同士の間に
高彩度の色をはさんだり
セパレーションしながら
バランスを保つ方法もある
逃げるもよし
第三者に相談するもよし
所詮世界は
潜在的に無段階
意味あるもの
無意味なもの
その間のもの
意識化されない世界は
何もないに等しい
針の無い時計
変化の無い時計
そもそも
時なんて本当に実在するのか