新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

スキップ

小学1年生の初学芸会練習
踊り担当の僕は気づいた

スキップができない

それまで自分でも意識してなかったが
女性の先生に指摘され
出来ていないことに気づいた

自分以外の皆は普通に出来るが
何故かぎこちなくわざとらしく
思わず吹き出したくなるくらい
足がついてこない

たかがスキップと思っていたが
頑張れば頑張るほど
違う

高校を卒業し
専門学校生の18歳のある日

実習先の道すがら
親らしき人と手をつないでいる
知的障害者風の少女

楽しそうにスキップしながら
道を行く姿に
僕は何故だか
甚く心を奪われてしまった

思考に囚われている自分と
ただただ楽しそうに道をスキップする少女
そのギャップ

どちらが自由なのか
どちらが楽な生き方なのか

あれから数十年の今日

後輩に忘れ物を指摘され
お互いテへっと笑いながら
駆け足で行こうとしたら
自然とスキップしている
自分がいた