新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

焼却炉のタンポポ

aozoraremon2008-04-12

 
あの頃の僕は
いつも何かに
苛立っていた
 
不安と劣等感
傲慢と優越感
誰かの指示ばかり求めて
誰かのせいばかり考えていた
  
何かになりたくて
でも
何にもなれなくて
 
そんなある日
 
ボロボロに
朽ち壊れた
かつては
焼却炉として
機能していた
ドラム缶の中
 
その
黒く焦げた
灰の上に
タンポポ
咲いていた
 
黄色い花びら
 
青い空を向いて
何にも言わずに
そこに居た
 
何故だか
胸が熱くなった
 
生きろ
 
そんな
気がした
 
いかなる
環境下でも
 
根を張って
空を向いて
 
生きろ
 
生きろ
 
生きろ
 
自分でいいじゃないか
 
ありのままで
生きて行けばいい
 
あのタンポポの花は
今でも
この胸に
 
咲いている