新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

北見の平行線

aozoraremon2009-02-26

 
あの朝
僕は深夜の都市間バスで
札幌から北見に
一人着いた
 
3人程の中年
白い息
冷たいベンチシート
温もりのない待合室
これからの生活
新しい職場
漠然とした不安
 
窓の外で
静かに入ってきた
JRの列車
 
その列車と白い煙の
平行線
 
暗いブルーの空
余計に白く見えた
その煙
 
夜が明けて
スカイブルーの空に
 
目の前を
厳寒なのに
短い丈のスカートをはいた
素足の女子校生達
 
その街では
厳冬の屋外で
ジンギスカンを食べる
イベントがある事を
後から知った
 
小学生の頃
研修会で初めて泊まった街に
住むことになるなんて
20年も後に
 
6年間住んだ
街を去るまで
いろんな事があった
 
でも
 
あのとても寒かった朝の
平行線だけは
何故だか
今も
焼き付いている