新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

君に幸あれ

aozoraremon2008-12-12

 
今も
時々
思い出すよ
 
ギターを
初めて教えてくれた

 
同じ寮に住んでいた

 
隣のクラスだった

 
夢の僕は
とても臆病で
いつも何かに
追われていたよ
 
白血病
亡くなったと
君が語った
従兄弟の女性
 
その頃
僕らは10代の終わり
 
その女性は
男ばかりの僕達に
チャーハンを台所で
作ってくれた
 
紙皿の前で箸を持って
僕らはまるで
母の料理を待つ
ただの子供達
 
それから間もなく
一人
旅立った彼女
 
僕のベットで
泣いた

 
僕はただただ
聞く事しか
出来なかった
 
「聞いてくれてありがとう」
と言葉を残して
部屋へ戻って行った

 
僕はみんなに
香典代わりに
チャーハン代の
小銭を封筒に詰めて
君に手渡した
 
「ありがとう。気使わせて悪いね」
って言った

 
君に会えたから
僕は少しは緩く
なれたのかもしれない
 
君に会えたから
僕は今また
君の事を思い出して
いるのかもしれない
 
今、君はどこにいるのか
僕は知らないけれど
 
例えどんなに離れていても
僕らはあの空で
つながっているんだよねって
言った事
 
今でも覚えてるだろうか
 
性格は真逆だったけれど
いつも
一緒に飯食って
一緒に共同風呂に入っていた
 
君よ
幸せに
 
君よ
笑顔のままで