新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

Dear

aozoraremon2008-10-18

 
ゲル状の時間の中で
溶け残った
君の言葉
 
「Dear」
 
から始まるその文字は
君からもらった
最初で最後の
手紙
 
予想外の手紙に
西暦3000年までの予言(妄言)を
返信してしまった
自分の愚かさ


君は今
どこにいるの?
 
誰と暮らしているの?
 
元気でいるの?
 
こんなにも
メディアが発達しても
 
何も知らない
噂も聞かない
 
母と子の会に参加
アスレチックランドで
君と初めて出会って
君と全く同じの景品が当たった
 
新学期
気づけば
いつの間にかすぐ隣のクラスに
転校してきた

 
何と素敵な
偶然だったのだろう
 
それから
進学し同じクラスになった
 
冷えた車窓の曇りガラスに
指でなぞった
君の名
 
曇ってはなぞり
曇ってはなぞり
曇ってはなぞり
 
僕は終始
興味ない素振り
君に
 
直接話しかけられても
無視した事さえあった
 
君と一緒にグループで
汽車に乗り先生へ会いに行ったね
初めてしたボーリング
(工事ではない)
 
市民の雪像大会で君と一緒に作った
大仏
チーム名は「仏教ズ」
なんちゅうチーム名だ
しかも中学生
 
新学年になり
もうこのクラスに君はいなく
もうこの学校に君はいなく
もうこの街に君はいなく
家から見えていた君の住んでいた公舎は
ただの灰色の建造物


転校した

 
もういない
もういない
もういない
 
あの笑顔
あの黒髪
 
Dear
青春
 
Dear
片思い
 
Dear
思い出の