過去
現在
未来
三世を貫いて
永遠に
鳴り響いている
鐘の音
つらいときも
楽しいときも
平凡な日でも
有事の時でも
その響きは
一度として鳴り止むことがなく
ずーぅっと
ずーぅっと
魂の底を
流れている
会社帰りのサラリーマン
子育てに追われる主婦
メスを持つ外科医
いじめられている子
道を知らぬ人
道に気づく人
道を求める人
道を歩く人
道を踏み外す人
道に戻る人
道を作る人
カエル
スズメ
サンマ
ハエ
一切の命を
一切の差別なく
響き着て
響き去り
一切を包み込む
その音
外に無く
内にのみ
流れ行く
川のせせらぎにも似た
怒涛の波頭にも似た
春夏秋冬を
吹き抜けていく
風にも似た
その音
今日もどこかで
無音の鐘の音が
無名の命と
響き会い
響き合う
