節分の当日
いきなりロッカーに
貼り紙がされていた
『理解していないのは
あなただけです
自分で持っていてください』
分からない人への
心配りのために貼っていた付箋紙を
あえて剥がして
これ見よがしにロッカーに貼っている
名前なしで書かれた付箋
誰が貼ったかは分かっている
出る杭を打ってくる存在に
不気味さと嫌悪感を感じながらも
直接は反応せずに
周囲の人たちへこの事実を伝える
直前でのバイト先でも
ロッカーに貼り紙をされたことがあったが
まさかこの現場でも同じような事が
繰り替えそうとは努々思わなかった
まあ
出る杭ぐらいで丁度よい
自分らしい
水のようにサラサラと
時に流氷のように地平線まで覆いながらも
時蜜れば
跡形もなく
去ってゆく
相手も
己も