部屋を移して
描くことに専念できる
環境を作ると
自ずと
絵を描く習慣が
復活してきた
今いる部屋は
かつて自分の勉強部屋
帰郷してからは
タンス、ロッカー、本棚
テレビ一つの母の部屋になっていた
普段は誰もいないので
テーブルの上に
F8号のACRY BLOKという
非常にコスパの良い良質の紙に
毎日アクリルで描いている
水張りもしないので
水をふんだんに振りまく
独特の下地作りで
たわみまくる
下絵もなく
混沌のまだら模様を
あえて作りながら
そのカオスから
イメージを掘り起こし
一つの形と色に定着させていく
白い紙に
薄く薄く
色をセロファンのように
純色を重ねていく
次第に純色たちは
重なりあい
混じりあい
くすみあい
にごり
ぱさつき
なじみ
ある時は干渉し
ある時は調和する
そして
だんだんと
全体がある一定の
イメージへ向かい
滝のように
集束していく
形の不定形のままでもいたい
各々の色たちが荒々しくも鮮やかなままでもいたい
しかし結局
抽象の世界から
具象のイメージへと
いつも変貌していく
それでよいとか悪いとか
定まらぬ中
曖昧で
たよりなく
不確かな
色の漁礁へ
今日も泳いでいく