新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

流氷

aozoraremon2017-03-19


父と二人で
墓地の雪かきに

墓地からは海が見え
海には水平線の彼方まで
びっしりと流氷が来ていた

今年はその流氷に紛れて
港にクリオネを発見したと
新聞記事にある

流氷が
街の港まで来るのは2年ぶりで
戦後2番目に遅いらしい

雪かきが終わり
父は流氷を見せに
自分を海岸付近まで
連れて行ってくれた

流氷の隙間に出来た
海面には
群れで浮かんでいる
カモメたち

一夜明ければ
びっしりと流氷が来ていて
一夜明ければ
あとかたもなく去っていく

それが流氷だと
父は言った