新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

レール

aozoraremon2016-08-22


あの日
レールを引いたのは
他ではなくて
自分自身

列車に乗り込み
家族や従妹に見送られ
片道切符の札幌へ

思えば
遠くへ来たもんだ

夏休みもとらず
夜も
昼も
働き続けた
傷だらけの身体

それでいい
それでもよかった

いつしか腰痛になり
歩くのもしんどくなり
休み続けたあの日

あの日から
ふと我に返る

そして
決断をした

故郷へ帰る

数か月後
もうこの町にはいない

この町の
夜の静けさが
一番の癒しだった

逃げか
卒業か

どちらでもあり
どちらでもなく

自分が引いた
レールからの
引退さ

ただ
それだけのこと