湿った草
ぼやけた月
ON
OFF
日々の出来事
日々の喜怒哀楽
布団の中
うとうとしている内に
夢とも知らぬ夢に
没頭している
夢と現実の
多重露光
物語の
スイッチング
それでもまた
この世界を選択している
そう
気づいている
この世界すらも
夢であることを
脳そのものが
幻想であることを
うとうと
していようが
パッキリ
していようが
僕は没頭し続ける
没頭していることも
気づかぬままに
目の中に入れても痛くないほどに
目の中に入れてパチパチしても痛くないほどに
ひどく自分を愛している
ひどくこの世界をアイシテイル
恨んだり
憎んだり
全てから逃げたくなっても
ひどくこの世界に
執着して
耽溺して
途方に暮れるほど
明け暮れぬ
自分がいる
何もかも疑うほどに
どっぷりと
盲信している
そんな自分が
愛しい
それで
いい