新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

温泉

帰省して
父の運転
二人旅

温泉目指し
ひた走るは
海岸線沿い

雪、霰、晴れ、曇りと
目まぐるしく変わる
天候

路上を横切るは
エゾシカ

路上に横たう
エゾシカの屍を啄む
カラスの群れ

更に路上には
猫の屍

牧場には
点在し地べたに寛ぐ
牛たち

のっそりと立ち尽くす
2頭の
ポニー

崖には

立ち寄る
蕎麦屋

父は
かしわそば

私は
きつねそば

そして到着

焦げ茶色の温泉に
どっぷりと浸かり
上向きになり
ぷっかりと浮かんでいると
「何やってんだお前」と
呆れ顔の

漁港に立ち寄ると
吹雪の海に
釣り糸を垂らす
人の群れ

釣り人に
声をかける
父の後ろ姿

カップのアイスクリームを
食べならが運転する父を
今度は私が注意する

お互い
マイペース

過ぎる…