中学生の頃
教室では他と交わらず
机で本ばかり読んでいた
そんなとっつき難い僕にも
よく声をかけてくれたのが
S君だった
S君が僕へ
熱心に語っていたのは
ガンダム(初期ver.)
僕がS君へ
熱心に語っていたのは
仏教(禅系)
「本当は自分などないんだよ」
と言うと
「あるじゃんよー」
と、お互い笑っていた
お互いが、相手にとって
ほぼ興味のない話を
シェアし合った
当時、ガンダムへの興味は
自分にとってはプラモデルがメインであって
何度ストーリを懇切丁寧に説明されても
よく分からず、右から左へ通り過ぎていった
(決して彼の説明が下手なわけではない)
僕も彼もバスケ部で
3年間共に汗を流した
同級生
彼は小柄だが美男子
抜群のシュート力
いつも冷静な判断力と機敏性
他校試合ではテーブルオフィシャルズ
(当時は単にオフィッサーと呼んでいた)
も務めていた
あれから30年
スピリチュアルやその手の話を毛嫌いしていた
作曲仲間がつい最近、自称覚醒したらしく
初期ガンダムをすすめるので
注文したら翌日、BOXで届いてしまった
レンタルで済ませば
格安に見れたけれど
大人買いしてしまった
というか
そこが子供なんだけれど
内容は所々覚えていたけれど
通して見たことはなかったので
懐かしさ半分、世界観を理解できた
仏教もガンダムも
テーマは同じ気がした
覚醒
「ニュータイプは殺し合う為の道具ではない」
というララのセリフが耳に残った
パッケージのイラストを見て
宇宙に憧れていた
あの頃の自分に
戻れた
多分、ガンダムオタクにはならないと思うけれど
あの時の2人の会話は
今日繋がった
気がした