新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

会長のシワさん

シワのおじさんは
町内会や子ども会の会長さんだった

芋掘りや植樹、バス旅行、ゴミ拾い
わらじ草履作り、潮干狩り

子供達と企画を立てて
僕らにいろいろな経験をさせてくれた
忘れてはならない人

小学生高学年になると
僕らも企画立案に参加することとなり
近所の友達や上級生らと一緒に
シワさん宅へ招集され
夜毎の会合を開いた

何か面白いことをやってやろう
天然の笑いも溢れる場だった

この会がいつ頃から始まったかは定かではないが
シワさんがこの地に来てから
子供達と一緒に企画立案して
意見を取りながら始まりだした様子

といっても、所詮は小学生なので
立案事項は会長さんのアイデアそのまんまではあったが
それに子供達が『関わる』という事が
シワさんの狙いだったのかもしれない

一緒に会にいた友達(かめちゃん)の話によると
彼の姉の代に、お茶菓子にあったハッピーターンから
『ハッピー子ども会』と命名されたという

当時は子供たちも大勢いたが
それなりに見込まれ
やる気のあった子達だけが
来ていたように
今になって思われる

一つだけ下の妹は
一度もこの会に顔をだした記憶がない

シワさんの紹介で
個人的にもリーダー研修会なるものに参加して
世代を超えた人々に知り合える機会に巡り会えた

人よりも本好きのモチベーションとは裏腹に
学生時代は、色々とリーダー的なことも
しては来たけれど、社会に出てからは
役職に就いた事は一度もなかった

リーダーはもう懲り懲り
やりきった感が内心渦巻いているのが
偽らざる本音

働きながらも余生を味わっている心境なのかもしれない

そんな自分をシワさんは
天国でどう見ているのだろうか

今も浮かぶのは
いつも優しく微笑んでいた
メガネの向こうの

ありがとうございました