新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

見舞い

早朝 6:07
父の見舞いに
離れた街の病院へ

外は濃霧

元気そうな顔
ベッド際の車椅子
「体重と目に気をつけろ」
との忠告

早々に病院を出て
列車の発車時刻まで
ぶらり街を歩く

味のある小道に
シャッターを切る

民家の前の小道
人懐っこい
鳩とカモメ

列車の中で
手帳とボールペンを置き忘れ
着払いで届けてもらうこととなる

乗り継いだバス
ぼんやり眺める景色

ますます濃くなる霧

運転手のアナウンスまでが
ぼんやり

「しゃしま〜…」(発車します…らしい)
「しゅ…しゅ…」(出発します…らしい)

気の抜けたサイダーのように
だるだるに気だるい声

19:30過ぎ
住んでいる街へ到着

咽る濃霧
視界5〜6メートル

カメラの電池残量ほぼゼロ

それでも霧に向かって
パシャリ

超悪条件の中でも
頑張って処理し続ける
健気な愛器

1034枚、5.66GBの
スナップ写真

非日常の
プレゼント