新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

溶け時計

 
幻想を通じて
現実を知り
 
現実を通じて
幻想を知る
 
破壊を通じて
創造を知り
 
創造を通じて
破壊を知る
 
進んでいるようで
ただ
回っているだけの
時計
 
土日祝日無関係
日々変動する出勤時間
一般的な時間枠意識の希薄化
そんな環境にある自分
 
ダリの絵で
一番の印象的なモチーフは
溶けつつある時計
 
高校一年生入学直後
真っ先に美術室へ行き
美術担当の先生に
長々とダリの絵について
話した記憶
 
その絵に出会わなければ
シュールレアリズムへの傾倒もなかったし
美術部への入部もなかったし
仲間たちとの出会いもなかったし
思い出もなかったし
絵への興味が続いていたのかどうか
 
10代の感受性
 
下手でも拙くても
一度起動した感動は
今でも
連鎖的に好奇心のドアを
叩き続けている
 
直列世界と
並列世界
 
階層世界と
等価世界
 
時計が溶ける時
経時的呪縛から
飛翔しはじめる
感性