新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

差し歯

aozoraremon2013-10-18

 
16日、差し歯が抜けた
18日、歯科受診後、川で瞑想
 
先日、仕事の昼休みに玄米を食べている中
差し歯(上顎右側犬歯)が丸ごと
抜けてしまった
 
個人的に休日の今日
久しぶりに帆布のショルダーを下げて
予約していた歯科へ
 
持参した保江邦夫著「予定調和から連鎖調和へ」
を待合室で読む
 
再接着を終えて外へ出ると
ほぼ快晴で真っ青な空
清々しい空気
 
陽気に誘われ
いつもの帰宅道を変更し
橋の下へ
 
川岸へ行くには
小さな川を渡らねばならない
しかし、最近流れ着いていた
大きな流木が天然の橋になっていた
 
漁業関係者と思われる
胴長を履いた、おじさんたちがやってきて
小さな川を塞ぐように
網を張り出した
 
流木を渡ろうとすると
足元でバシャバシャと
音がする
 
よく見ると
傷だらけの秋鮭たちが
遡上してゆく
 
海から渡って来た彼ら
 
最後の力を振り絞って
僕の足元に
いる
 
流木を乗り越えて
平べったい丸い石を
踏みながら川沿いを歩いた
 
いつもは
橋の上から眺めていた景色が
反転し
橋を見上げて
石の上
 
石をよく見ると
ポカンと口を開けたような
丸い穴があいていて
その中に
小さな石が入っている
 
そんな石ころポケットが
ところどころに
見つかる
 
しばらく歩いてゆく
 
ジージャンを脱ぐ
ズボンも内ジャケットも
なぜか麻製だったことに気づく
 
瞑想しようかなと思い立ち
丁度良い石を見つけ
座る
 
目の前には
鉄筋が一本剥きでた
テトラポット
川に半身を沈ませている
 
尻が痛い
 
石の上に座ったのは
何年ぶりだろう
覚えていない
 
思考を離れて
川の音を聞いてゆく
 
どうしても
お尻がきになるが
やや前に体勢補正すると
しっくりしはじめた
  
「情報最小極地の私」堀木綿子さんのヒント
「あうん」清田益章さんのヒント
「あえうおい」マドモアゼル愛さんのヒント
 
思考という川の流れに
瞑想という筏
 
左手に
メガホンが浮かぶ
「誰かに伝えたい」
という思考の象徴
 
渾身の愛を込めて
その感情へ感謝する
 
頭が空っぽになる感覚
 
帽子を脱ぐと
太陽の日差しが
一気に頭を
明るく照らす
 
「生きたい!」と
内から感情が迸ってくる
  
ひとしきり
心穏やかになり
その場を去る
 
神社へ参拝し
オムライスを食べ
十勝岳連峰を眺めながら
日常へ
 
山の向こうには又
更なる大きな峰々があったことに
圧倒された
 
差し歯が抜けなければ
以上の一連の体験は
無かった
 
天の計らい
 
ありがとう
 
清々しい自然たちよ