新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

象のナナさん

aozoraremon2013-10-08

 
さわやかな早朝
バスを乗り継ぎ 
新聞の切り抜きを片手に
地図も見ぬまま
山本二三さんの美術展へ
 
ラピュタ火垂るの墓
原画を見る
 
意外と小さかったけれど
緻密な構図と色彩
 
途中、思いがけず動物園を発見し
インド象のナナさんに出会う
1961年(推定)生まれの、52歳(推定)
 
僕よりも
ずっと歳を重ねて
ずっと多くの人たちを
見てきたと思われる
優しい目
 
周りの子供たちに
「お母さんいるの?」とか
いろいろ質問されていた
ナナさん
 
ナナさんは
何も言わず
草を鼻で丸めて
食べているのか遊んでいるのか
わからぬまま
のろのろと
歩いたり止まったり
 
北海道で
ただ一頭になってしまった象さんに
出会えた
奇跡
  
風邪ひかないようにね
これからも
元気でいてね
 
じっとナナさんと見つめ合いながら
心の手で
身体をなでた
 
ナナさんのように
優しい目で
相手を見つめられるだろうか
 
どんな
時も