新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

開錠

aozoraremon2013-09-09

 
馴染みの食堂
かぶりつく
チャーハン
 
この世界が
現実であろうが
幻想であろうが
作り出したのは

  
緩やかな坂のあと
いつもの歩行区域を抜けた道の上 
すーっと
思考が止まる瞬間
 
眠りとは真逆の
覚めた意識で
 
久しぶりの
ホームショップ
 
新しい黒Tシャツ
丈夫な靴下
 
草花を漂う
モンシロチョウ
巣穴を出入りする
アリたち
工場のタンク
 
馴染みのお店
フルーツパフェ
 
何か
全く新しい
生活が始まりそうな
予感
 
そう遠くない将来
 
海が見える
場所
 
神社に寄ると
お祭りの屋体作り中
 
思えば
社会に出てから
近くには必ず神社があった
 
青空の向こう
なだらかに聳える
十勝連峰
 
海の見える街で育ち
海の見えない街で働き
山のエネルギーに支えられていた
そんなこと
今頃気づいたら
目の前を通り過ぎた
モンシロチョウ
 
青空に
元気よく広がる
雲たち
 
元気
 
虫たちに
草たちに
花たちに
空たちに
雲たちに
 
共に
 
生きて生かされて
 
この世界の奴隷でも支配者でもなく
 
ただただ
愛を知りたかっただけの
 
愛そのもの
 
時という
物語製造メガネで
フォーカスされた
平凡という非凡を
 
解錠する