新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

連山

aozoraremon2013-06-15

 
ミクロになるほど
ランダムに
複雑に
とらえどころがなくなる
 
飛ぶ蝿を
素手で追う
愚か者め!
 
掴んでも
掴んでも
のらりくらりと
逃げてゆく

 
お前の素手
蝿にも
鰻にも
劣ることを
知れ 
 
現象の
優位性を探す前に
自覚すべきこと
 
蠅にも
鰻にも
速さと不確実性に
劣るならば
どうやって挑む?
 
素手に過信してはならない
小さな損失を過信してはならない
 
柔よく剛を制す
鈍よく敏を制す
 
秒針ばかり見ていても
時間は見えないよ
 
迷路の中の
小さな迷路に
迷っている場合じゃないよ
 
遠く遠く
向こうに感じていたゴールは
意外とすぐそばにある
かもね
 
結局
最も大利を得たのは
最も鈍く
仕掛けた時だけだった
 
スコップで人海戦術もいいけれど
小回りの効かないパワーショベル一台で
一気に形成を塗り替えていた
  
上手く立ち回りたいと
その素手
慌てふためき
浮かれ焦り恐るよりも
 
あの遠く聳える
連山のように
堂々と
悠々と
立て