夜勤明け
降り続く雨
ガラスを叩く風
今夜が山と言われた
ばあちゃん
朝食介助が終わり
申し送りが終わり
ごみ捨ての最中
ばあちゃんの部屋から
ナースコール
安らかな
最後の顔
嵐の中
家族に見守られて
去ってゆく車
夏が過ぎ
冬が過ぎ
もう一度冬がやってくる
その間
職員も去り
じいちゃんも去り
ばあちゃんも去った
その日は近づいていたことは
みんな承知の事実だったけれど
自分は何が出来ただろう
自分は何を込めただろう
ありがとう
さようなら