新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

黄色い帽子

aozoraremon2011-10-07

 
道端の胡桃
 
誰に教えられずとも
海へと向かう
川の水
 
逆巻く波も
渦すらも
消えては顕れ
時を逝く
 
遠足途中の黄色い帽子たちに
「こんにちは」と
手を振られる
 
食堂でほうばる
カツカレー
 
俄雨をくぐりながら
食料を買い込む
 
「あなたと他の人との間にあった事など
 一度も無かったのですから」
 
何とも
ここはうまく出来た世界だ
 
まるで
自分が生きているようで
まるで
他人が存在しているような
 
感情を剥き出しながら 
こんな次元を
見切れぬまま
葛藤し続ける
 
「死」なんていう経験は
他ではそうそう出来やしないのだから
 
作られた視界の中で
作り出した視界の中で
変わりゆく川のあぶくの中で
変わらない摂理の中で
 
真っ直ぐな瞳の
向こうに