新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

井戸

aozoraremon2010-11-15

 
僕が生まれる前
実家には井戸があったという
 
僕が生まれた後
落ちたら危ないので爺ちゃんが埋めたらしい
 
今ではそんな形跡すら
どこにも見当たらない
 
背を丸めて肘を突きながら
ご飯を食べていたらよく爺ちゃんに叱られた
 
机も爺ちゃんが買ってくれたらしいが
記憶が曖昧なので今度聞いておこう
 
その机上には大きな宇宙のイラストが描かれていた
リアル調で地球と飛行機だった気がする
 
小学生の頃のメディアや商品には
宇宙的イメージが溢れていた気がする
 
住んでいた家族の中で
一番最初にお別れしたのは爺ちゃんだった
 
でも時々ふとしたときに思い出す
 
やっぱり僕は
誰かに支えられてここまで生きてこれた
 
一人でいてもちっとも寂しくないのは
幼い頃に必ずそばに爺ちゃんと婆ちゃんが
居てくれたからなんだ
 
心の底に今でも
生きているからなんだ
 
だから今
この職に確かに繋がっている
 
まだまだやることはある
 
爺ちゃんと婆ちゃんはもうこの次元には居ないけれど 
恩を返すのは
今、目の前で生きている爺ちゃん婆ちゃんなんだ
 
まだまだ