新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

新しい歌を

aozoraremon2009-03-03

 
結果を出せずに
見えない手で
肩を叩かれ
会社を去った
あの日
 
「上司の言うことを聞け!」
と大声で怒鳴られた
あの個室
 
会社の入り口正面に貼り出された
各職員の試験結果
製品センスを売るはずの会社の
露骨な貼紙
 
「お前のこと、要注意人物っていわれてるから」
「お前のこと、信じて無いから」
「遅い」
主任の言葉
 
悪いのは自分
でも悪いって何?
 
数々の言葉
 
いばらの花束達
 
成果主義の洗礼
 
全社的に進められた
正社員のリストラ
入れ替わりざまに
配属された
パートの職員達
 
電話の向こうにいた
いつもの東京の課長さんの声は
とてもとても弱々しかった
まさかこの人まで解雇とは…
案外ひょうひょうとしていた
僕とは対照的に…
 
辞表を提出した日の空は
やけに青かった
 
それでも
所長の優しい笑顔だけが
春のそよ風に似ていた
  
「君には悪かったかもしれない
もっと早く言っておくべきだった…」
あの日書いて頂いた
推薦状
 
あの頃の8人の同期生は
最年少だった優秀な彼を残して
全て会社から去ったという
  
あれから
僕は今
20才の志の現場にいる
  
この国に生まれ
この国に育てられ
この国で働いている
 
アメリカの経済は

崩壊しつつある
 
拡大・競争に明け暮れた
生産主義の時代が
地平線の向こうへ
落ちて行く
 
大量の物を生産し続けたシステムが
最後に
大量の失業者を生産し続けている国
日本
 
物の向こうに
金の向こうに
 
戦後失った
美しい何かが
新しい夜明けと共に
待っている
 
物の時代は終わり
新しい文化の時代が
これから
始まる
 
昭和はもうとっくに
終わっているよ!
 
さあ
次ぎの時代の
新しい
歌を創ろうよ!