新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

心配性の婆ちゃん

aozoraremon2008-11-21

 
婆ちゃんは
茶の間でしばしば
父と口喧嘩していた
 
年々愚痴が増える
婆ちゃんを
咎める父
 
「昔はあんな子じゃなかったのに」
と呟いていた
 
誰かを咎めた後
物凄く反省していた
その繰り返しだった
婆ちゃん
 
「婆ちゃん馬鹿になってしまったの」
と僕に言っていた
 
でも次の朝になると
仏壇の前で父を含め
家族みんなの幸せを
祈っていた
婆ちゃん
 
愚痴っぽかった
婆ちゃん
 
心配性の
婆ちゃん
 
気遣いが
いつの間にか
気疲れに
なっていた
婆ちゃん
 
それほどまでに
人を気遣ったことなんて
自分にはないから
 
鬱陶しかった
愚痴の後ろに
そんな優しさも
人にはあること
 
死んでから何年も経って
今頃
気づいている