一面に群生する
ハマナス達
幼い頃
妹と父と母で
行った
岬
青空
風
白い雲
輝く海
船
とげとげに
刺さらないよう
グイとむしりとった
ハマナスの実
袋にいっぱい
詰め込んだ
余計な事ばっかり
考えていた
幸せなのに
いつも不安だった
無常と言う
言葉を知らぬ時から
常ならぬ世を
怖がっていた
父のトラックに
みんなで乗って
取ってきた実を
母へ
砂糖で煮溶かした
ハマナスジャム
甘酸っぱい
香り
ありがとう
父さん
母さん
妹よ
幼き日々よ