涸れ切った川底に
象たちが
その長い鼻で
井戸を掘った
象たちが去った後
その井戸水を
鳥やシマウマたちが
飲んでいた
水は誰の物でも無く
井戸は誰の物でも無く
自分達のした事は
自分達だけの事ではなく
何かが去って
何かが残って
生まれて
ひと時でも生きて
やがて死んでゆく
拡散し
収縮し
パーソナルになり
マスになり
魂は
旅を続ける
己が掘った井戸は
己のみの井戸に非ず
魂の旅よ
魂の井戸よ