新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

夜の列車

aozoraremon2008-01-08

  
毎夜
おじいちゃんは
訪ねてくる
 
「乗り遅れてしまった」
「もうだめです」
「明日何時に発車しますか」
「分けが分からんくなって
 頭の中がカサカサになった」 
「息子に会わせてください」
国鉄の切符これ使えますか」
 
今ではもう
国鉄もJRすらも
この街には無い
 
駅では
無いのだが
 
毎晩
そこは
駅となる
  
毎週家族が来て
外食されているのだが
 
おじいちゃんは
乗っているのだ
 
不安と寂しさという
列車に