新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

鏡の世界

aozoraremon2007-10-18

 
この世界には
遍く
鏡が仕掛けられている
 
それは
あまりに巧妙に
あまりに絶妙に
時と場所を選ぶかのように
存在を映し出している
 
誰もそのフレームに
気づく者はいない
なぜなら
フレームとは次元の境界
そのものだから
 
そして
 
映し出されているものは
偶然の如く
全体の如く
物質の如く
他人の如く
他国の如く
風景にしか見えないのだから
 
今日も何処かで
あいも変わらず
罵り、喧嘩し、戦争している
 
時に人は
その鏡の中に
過去を見てしまうことがある
(既視感)
いつも見慣れているはずなのに
未知のように感じることもある
未視感
 
鏡の迷宮で
迷子になる人々
 
映っているものは全て
紛れもなく自分自身の
断片的な投影なのに
誰も認めようとはしない
 
何かの断片である事すら
分からない
 

 
あなたが鏡であるように
私も鏡であるのかもしれないし 
そうではないのかもしれない
 
いつか
 
全ての鏡を叩き壊したときに
唯一つ残るのものがあるとすれば
 
それを

というのだろうか―