新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

宇宙漂流

aozoraremon2007-02-20


漆黒の闇に 
落ちてゆく
赤い花びら
 
銀河の渦に
たった一度の
輝き
 
その輝きのなかに

私は生まれ
私は死んだ
 
国は生まれ
国は滅びた
 
文明は生まれ
文明は滅びた
  
惑星は生まれ
惑星は滅びた
 
命はチャンス
 
幾千万の転生を
繰り返しても
 
今生は一度きり
 
この街も
この人も
この時代も
 
ふりむけば
誰もいない
何も残されてはいない
 
一切は
他生の縁により
引き寄せられ
手繰り
手繰られ
出会い
別れて
行くものだけれど
 
一期一会の
人生たちよ
 
たとえ
歴史に残らずとも
記録に残されずとも
 
宇宙は
記憶を
止めはしない
 
自我は反応し続け
現象は変化し続け
 
無明の蛇は
自らの尻尾を
噛み続け
自覚無きまま
回転し続ける
 
因果律こそは
浄化の雨を
降らし続ける
 
雨に撃たれても
雪に凍えても
 
すべての苦悩は
己の想念の
星座に過ぎない
 
眼差しは
根源より
閉じることなく
 
今も
永遠を
貫いている