新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

後悔

aozoraremon2007-01-26

 
K君が家に遊びに来た
私は戸を閉めて
彼が入らないようにした
 
次の日も彼は遊びに来た
私は戸を閉めて
彼が入らないようにした
 
彼の母は
早くに
死んでしまった
 
ある遠足の時
彼が一人で道草をしていた時
保母さんが
言う事聞かない彼を
どうしますか〜
とみんなに問いかけ
私は、そんなやつ
かまわないで
おいていけばいいと
冷たく言い放った
 
彼がまた
家に遊びに来た
私は嫌だったので
戸を閉めた
 
それに気づいた
母が私に拳をあげた
行き場のない風呂場の中で
私は転んで
殴られた
 
母の目に
涙が見えた
 
あれから30年も経とうか
 
彼の寂しさに
気づけなかった
想像力のなさ
 
あの日の後悔が
 
福祉の現場に
私を
在らせているのかも
しれない