激しい戦いのあった
惑星オリオン
日々争いの中で
大砲の音を聞きながら
人々は今日を生きていた
争いという日常
憎しみが
更なる憎しみを生み
報復が
更なる報復を生んでいた
平和など知らない
少年兵達
美と呼べるものは
何一つ無かった
水は数世代前に涸れ
他の惑星や彗星から
供給していたが
その利権争いが
全面戦争の主たる要因だった
剣と盾
毒薬と密売
暴力と喧騒
ある夏の日
一発のミサイルが
某国の首都へ向けて
発射された
それを迎撃するための
ミサイルが発射された
ミサイルは命中したが
その瞬間
天空が赤く染まり
巨大なきのこ雲が
立ち上がった
衝撃波が
北半球全体に伝わり
厚い雲が上空を低く覆い
生物の1/2が死に絶えた
もっとも壊滅的な都市上空には
数百機の未確認飛行物体が
飛来していた
惑星オリオンで滅んだ
魂達の一部は
別惑星へ移住し
新しい肉体へ
転生しはじめた
その新しい星は
海洋が7割
陸地が3割の
水の惑星だった
