新・青空レモン ~詩平線の彼方へ~

詩を書き綴ります(旧はてなダイアリー終了にて再始動)

分散力

aozoraremon2006-09-30

 
朝食の介助をしている最中に
食堂にいたおばあちゃんが
何かをとろうとして
車椅子から落ちて
倒れてしまった
 
幸い怪我もなく
無事だった
 
食堂は
自分だけが
見守っていた
 
残りの
スタッフは
ナースコール対応や
トイレ誘導の
真っ最中だった
 
見守りの手薄さ
自分の観察力の粗さ
 
同日、
見守りだけしてないで
見守りしつつ
昼食前の準備も
怠らないようにと
年下の女性の先輩に
注意された
 
拘束帯を一切使わない
認知症利用者30人弱への
対応の緊張感
 
ここで要求される
技術は
集中力よりも
分散力だ
 
全体を俯瞰する目
現在進行形の対象への視線
 
複眼的注意
 
8年前の特養経験と明らかに
異なる点は
拘束具使用の有無

拘束具の無い利用者の
危険行為抑止と
安全の配慮という
課題
 
自力可能なのに依存心の強い方
逆に
自力不安定なのに主体性の強い方
 
まさに
この現場は
認知症交差点
 
認知症専門のグループホームへの
面接不合格だった私が
今は、
認知症の方々が圧倒的多数の現場にいる
 
もう
目の前にある対象は
コンピュータ画面ではなく
現在進行形の
人間
そのものである